複利
定義 事実
年 5 % の利率で貸し付けた 100 € は、一年目に 5 € を生む。あとは、この 5 € の行き先を決めるだけである。引き出せば、貸し付けた元本は 100 € のままで、二年目もまた 5 € を生む。そのまま置いておけば、元本は 105 € となり、二年目は 5,25 € を生む——一年目の利息が、今度はそれ自身も利息を生むからである。
複利とは、それ以前の期の利息が加えられた元本のうえで計算される利息をいう。この加算には名がある。元本組入れである。
したがって仕組みのすべては、発生した利息の扱いを定める一つの規則に収まる。受取人に支払うか、元本に組み入れるか。二つの計算方式を分かつものは、それ以外に何もない。
単利と複利 事実
当初元本を C、一期あたりの利率を分数で表したものを i(5 % は 0,05 と書く)、期数を n とする。
単利では、各期は同じ額 Ci を生み、それは常に当初元本のうえで計算される。
Vn=C(1+ni)
複利では、各期はそれまでに得た金額に同じ係数 1+i——この等比数列の公比——を掛ける。
Vn=C(1+i)n
| 単利 | 複利 | |
|---|---|---|
| 計算の基礎 | 当初元本、不変 | 発生した利息を加えた元本 |
| 一定であるもの | 一期あたりに得られる額 | 一期あたりの乗数 |
| 増え方 | 等差 | 等比 |
| 一期だけの場合 | C(1+i) | C(1+i)——同一 |
一期だけなら二つの方式は一致する。まだ組み入れられる利息が生じていないからである。両者を分かつのは期間の長さであり、その差は小さくない。年 5 % の 100 € について。
| 期間 | 単利 | 複利 |
|---|---|---|
| 1 年 | 105,00 € | 105,00 € |
| 10 年 | 150,00 € | 162,89 € |
| 30 年 | 250,00 € | 432,19 € |
| 50 年 | 350,00 € | 1 146,74 € |
利率が正でありさえすれば、二つの列の比は n とともに限りなく大きくなる。分子 (1+i)n は公比 1+i>1 で等比的に増えるのに対し、分母 1+ni は一次的にしか増えないからである。したがって複利の優位を頭打ちにする期間は存在しない——元本が置かれつづけるかぎり、その差は広がりつづける。
なぜ増え方が等比になるのか 事実
ある期の終わりの価値は、常に同じやり方で前の期の価値から得られる。
Vk+1=Vk+iVk=Vk(1+i)
各期に生じる利息は、そのときある金額に比例し、その金額は増えていく。したがって得られる額もそれとともに増える。単利では固定されたままだった額である。係数 1+i は k にも Vk にも依存しないので、この関係を n 回続けて適用すれば Vn=C(1+i)n が得られる——これは数学的帰納法による推論であり、その帰納段階はこの等式、基底は V0=C である。
すでにある量に比例して増えるというこの性質は、比例係数が各期を通じて変わらないかぎり、指数的成長を特徴づける性質そのものである。離散的な時間では、一期ごとに、それは等比数列の形をとる。
倍加期間 事実
元本が二倍になるには何期を要するか。(1+i)n=2 を解けばよい。
n=ln(1+i)ln2
この数は元本に依存しない。100 € を二倍にするのも 1 億を二倍にするのも同じ時間を要する。式が乗法的だからである。
ln2≈0,693 であり、小さな利率では ln(1+i)≈i であることから、まず n≈69,3/(100i) が得られる。慣行はこの数を 72 に引き上げる。こうして72 の法則と呼ばれる近似が得られる。倍加期間はおよそ 72/(100i)、すなわち 72 をパーセント表示の利率で割った値である。この置き換えは計算上の便宜であって、厳密な結果ではない。72 は、69,3 を挟む二つの整数である 69 や 70 よりも多くの整数で割り切れる。引き上げはまた、ln(1+i)≈i という近似が残す偏りを補正する——8 % のあたりでそれを打ち消し、より低い利率では行きすぎ、より高い利率では埋めきらない。
| 一期あたりの利率 | 正確な倍加期間 | 72 の法則 |
|---|---|---|
| 2 % | 35,00 期 | 36,00 |
| 5 % | 14,21 期 | 14,40 |
| 8 % | 9,01 期 | 9,00 |
| 12 % | 6,12 期 | 6,00 |
| 20 % | 3,80 期 | 3,60 |
近似は 8 % のあたりで極めて良く、両端に向かって悪くなる。低い利率では期間を過大に見積もり、高い利率では過小に見積もる。これは暗算の道具であって、式の代わりではない。
元本組入れの頻度 事実
告知された利率だけでは収益は定まらない。どのような周期で利息が元本に組み入れられるかを知らなければならない。慣例により、年 m 回組み入れられる年名目利率 i は、一期あたりの利率 i/m を m 回適用する。数学的にそれを強いるものは何もなく、これは市場慣行である。一年の終わり、すなわち m 回の組入れののち、元本は次の値になる。
C(1+mi)m
年実効利率とは、その一年で実際に得られた増加分、すなわち (1+i/m)m−1 である。名目利率 10 % について。
| 元本組入れ | 年間の係数 | 実効利率 |
|---|---|---|
| 毎年(m=1) | 1,100000 | 10,0000 % |
| 半年ごと(m=2) | 1,102500 | 10,2500 % |
| 四半期ごと(m=4) | 1,103813 | 10,3813 % |
| 毎月(m=12) | 1,104713 | 10,4713 % |
| 毎日(m=365) | 1,105156 | 10,5156 % |
名目利率が正であれば、組み入れる回数を増やすほど実効利率は上がる。したがって二つの名目利率は、同じ頻度に揃えたうえで——あるいは実効利率に換算したうえで——はじめて比較できる。
しかしその上乗せは尽きていく。数列は発散せず、収束する。m が限りなく大きくなるときのその極限が、連続的な元本組入れを定める。
m→∞lim(1+mi)m=ei
ここで e≈2,71828 は i=1 の場合、すなわち limm→∞(1+1/m)m として得られる注目すべき数である。いまの例では e0,1≈1,105171、すなわち実効で 10,5171 % となる。毎日の組入れと連続的な組入れとのあいだには、0,002 パーセントポイント未満しか残らない。ある周期を越えれば、頻度を上げてもほとんど何も変わらない。
この極限には、m が有限の計算にはない固有の利点がある。ei はもはや m に依存しない。したがってそれは、組入れの周期によらない唯一の基準を与え、また CeiT という書き方——T は年で数えた期間であり、組入れの期数は n=mT である——を与える。これは C(1+i/m)mT よりも簡単に扱える。
雪玉のイメージ アナロジー
元本組入れはしばしば雪玉にたとえられる。転がるうちに雪をまとって大きくなり、大きくなった表面がさらに多くの雪をまとわせる。このイメージは本質的な特徴を忠実に写している——増加分は、すでに達した大きさに依存するということである。
忠実でなくなるのは一点においてである。現実の斜面には長さがあり、雪には限りがあり、雪玉はやがて止まるか砕けるかする。ところが式 C(1+i)n には飽和の項がひとつもない。そのなかに成長を制限するものは何もない。このたとえは仕組みを照らすが、何も証明しないし、現実の仕組みの限界を述べたものと受け取ってはならない。
この式が前提とすること 事実
等式 Vn=C(1+i)n が厳密に成り立つには四つの条件があり、その結果が正しく解釈されるにはさらに二つの条件がある。
この式が適用されるために:
- 全期間にわたって一定の利率。 利率が期ごとに変わるなら、係数を一つずつ掛けていかなければならない。Vn=C(1+i1)(1+i2)⋯(1+in) である。累乗は、すべての利率が等しい特別な場合にすぎない。
- 実際に組入れが行われること。 毎期支払われて引き出される利息は、商品にどのような名がついていようと単利にあたる。
- 元本に手をつけないこと。 途中での元本の追加や引出しは式の外に出る。そのときは各資金移動を、それぞれの日付から別々に組み入れて計算しなければならない。
- 控除は比例的なものにかぎること。 一期あたり定額の手数料は、係数が吸収できない額を差し引くことになるため、価値を C(1+i)n の形から外す。比例的な控除であれば形は保たれる——ただし用いるべき利率は変わる。次の条件が述べるとおりである。
その結果が何かを意味するために:
- 正しい利率。 毎期差し引かれる比例的な手数料や税は係数を小さくする。式に入るべきは正味の利率である。そのとき差引前と差引後の隔たりは期間とともに広がり、両者の比は (1+i)/(1+inet) の n 乗として増えていく。
- 安定した測定単位。 物価が 3 % 上がるときの、その時々のユーロで測った 5 % の収益は、購買力を 2 % 増やすのではなく、1,05/1,03−1≈1,94% だけ増やす。利率は掛け合わされるのであって、足し合わされるのではない。引き算はその近似にすぎず、利率が高いほど粗くなる。(ここで名目という語は第二の意味をもつ——インフレ調整前という意味であり、実質の収益に対立する。元本組入れの頻度の節に出てきた名目利率、すなわち実効利率に対立するものと混同してはならない。)
最後に二つの注意。この仕組みは貸借の向きに無関係である。未払いの利息が元本に加算されていく債務は、まったく同じ式にしたがって膨らむ。また i が $-1$ と $0$ のあいだにあるなら、係数 1+i は 0 と 1 のあいだにある。同じ等比数列が、このときは目減りを——絶対値でみればしだいに緩やかになる目減りを——描く。
まとめ
複利はすでに得た利息のうえにも利息を生ませる。金額は公比 1+i の等比数列にしたがって増え、利率が正でありさえすれば、単利に対するその優位は期間とともに限りなく広がる。